女社長は12歳
外は雲っていて風もあり七月にしては涼しい。

二人はいくつか並んでいる中の、一番隅っこのベンチに腰を下ろした。

座るやいなや武田は持っていた紙袋からハンバーガーを取り出し、それをぱくつきはじめた。

きららもあたりをきょろきょろと見回しながらソフトクリームを口に持っていった。

「きらら?」

口をモグモグさせながら武田が話しかけてきた。

「はい! ……」

きららは、すっとんきょうな声で答えた。

「昨日のメールだけど……」

「あ……はい…変なメール送って…ご迷惑をおかけしました…」

きららは顔を赤らめた。

「別に迷惑なんかじゃないよ……なにか悩み事?」
 
武田が口をモグモグさせながら問いかけた。

「……はい…まあいろいろと・・・…」
 
きららは、奥歯に物がはさまったような言い方で武田に返事をした。

「そか…バスケのこと?」

「あ! 違います……バスケは楽しいです……」

「そうか……」
 
武田はそう言うと、コーラのストローをくわえた。
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