女社長は12歳

「きらら、先帰っていいんじゃない？」

彩は両手を頭の後ろに組んだ。

「そだね、帰ろう」
　
きららは、侑基に向かって叫んだ。

「んじゃあ、女子はあがるから！　鍵よろしくね」

きらら達が帰ろうと体育館の昇降口に向かって歩いていると、侑基がなにやらペタペタと怪しげな音を立て背後から近づいてきた。

「見て見て？」

きらら達が振り向くと、そこにはソックスの上から透明なビニール袋を履いている侑基がいた。

「どお～？　かっこいい～？」

ビニール袋を足にかぶせ、足首のところを輪ゴムで止めるという、なんとも原始的なシューズである。