女社長は12歳
きららはデッキで飛行機を見送った。

良造を乗せた白色の機体は澄み切った青空へと上昇し、入道雲をかすめるようにして飛び立っていった。

きららは、飛行機が見えなくなっても、しばらくぼーっと、その雲をながめていた。

一体これから自分がどうなっていくのか、何もわからず不安でたまらない。

勉強とバスケに没頭していた頃は、何も考えずにただ一日一日を過ごしていればよかった。

しかし、仕事となれば話は別、ただやればいいというものではない。

ある程度の成果を求められるものだ。

しかも、自分は一つの会社の社長なのである。

はたして自分に、そんな重大な仕事が務まるのか。

考えれば考えるほど、なにか大きな力に押しつぶされそうになってしまう。

「はあ……どうなっちゃうんだろう……」
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