きせき。
プロローグ
「凛,別れよう」
「え…」

なんで?とか,やだよ…とか,言いたい言葉は沢山浮かんだけど,困らせたくなくて無理矢理笑顔を作ってうなずいた.
ばいばい,成雅.
心の中で泣きながら,愛しい背中が夕日に向かって歩いていくのを見つめた.
このとき私が少しでも成雅を引き止めてたら.
嫌われるのなんて怖がらずに,服のすそを掴んで「やだぁ!」って泣き叫んでたら.
成雅の背中に大きなトラックが突っ込むところを見なくて済んだのかな….

「成雅ぁぁあ!!」
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