白衣の悪魔を愛してる
「なに?もしかしてお前…泣いてんの?」



「え?」



「まぁ、今日は卒業式だし?泣くなとは言わねえけどさぁ…ちょっと早すぎじゃね?」



頭上からは笑い混じりの先生の声。



「泣いてない…よ。」



「あ?」



「だから…泣いてないってば。」



あたしはそんなイジワルな先生の首に腕を回し、ギュッと抱きつくと、



「なんでかわかんないんだけどね、今日は涙が出ないの。」



首筋に顔を埋めながら小さく呟いた。

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