白衣の悪魔を愛してる
「はぁ…」



どうしよう…。



あたし…



間違いなく寝過ぎちゃった…よね?



ってか、爆睡してた…よね?



イビキとか…



ヨダレとか…



「はぁ…メンドくせ。」



ハッ!!



ってか、そんなこと心配する前に、



このため息…



このダルそうな声…



絶対、呆れてる。



あたしの記憶が正しければ、さっきまでスッゴくいい感じだったのに…



もう、このハッピーラブラブな流れでハッピーエンドって感じだったのに…



どうしよう。



あたし、



最後の最後でやっちゃった…かも。



この展開、順調にゲームセットだと思ってたら、サヨナラ逆転満塁ホームランされちゃった…って感じ…かな?



ううん。



0対0の同点のまま延長戦突入して、そのまま決着つかなくてPK負け…って、



そんなのどっちだっていいっ!!



あたし…



ほんとにフラれちゃうかも。



終わった…かも。



そしてピタリと止まった足音と、ベッドに手を付いたせいか、ギシッとベッドの軋む音から耳を塞ぐように枕に顔を埋めた…



瞬間、



「さっきからブツブツゴソゴソ、起きてんならさっさと起きやがれ。この、タヌキ娘っ!!」



ゴンッ!!



「いっ…いだぁ~いっ!!」



「ハッ!!タヌキ寝入りなんて100万年はえーんだよっ!!」



突然降ってきたゲンコツによって、ガバッとベッドから勢いよく起き上がったあたしは、



後頭部を押さえながら声の方をキッと睨みつけた。

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