白衣の悪魔を愛してる

「先生…」



「あ？」



先生の白衣の裾をギュッと掴んだあたしは、ピクッと眉を上げる先生からスッと視線を伏せると、もう一度チラッと見た。



「んだよ。」



「えと…」



「言わねーのか？」



そんなあたしのオデコに右手をあて、クシャっと前髪を掻き上げながら無理やり顔を上に向けさせた先生は、目を泳がせるあたしをじーっと見つめながらニヤリと意味深な笑みを浮かべた。



本当に言ってもいいのかな？



“好き”って言ってもいいかな？



“大好き”って言ってもいいかな？



このタイミングで言って引かれない…かな？



でも…



「言えよ。」



「っ！？」



「言わねーならデコピン…デコチュウしてやる。」



「なっ！？」



今のあたしには、やっぱり“好き”以外の言葉なんて見つからない。