白衣の悪魔を愛してる
夢にまでみた先生の番号。



先生ファンの女の子の誰が訊いても絶対にゲットすることの出来なかった幻のメアド。



絶対無理ってわかってたから、欲しくても欲しいなんて言えなかったソレが…



ずーっと我慢してたソレが…



この手の中にあるとか…



そんなの興奮せずにいられるわけないじゃんっ!!



「でも…」



「ん?…あっ!!ちょっ…返してっ!!」



ギュッと握っていた指を無理やり解き、紙を奪い取ってきた先生は、



「喜ぶのはまだはえーよ。確率は3分の1…っつたろ?」



「へ?」



メアドの一部分…



@マークの後を指差しながらニヤリと勝ち誇ったような笑みを浮かべて…



ん?



そこって…



んん?



あれ?



なんか……



「あぁっ!!わかったぁ!!」



「うっせぇ!!」



「ないじゃんっ!!ほらあれっ!!機種…じゃなくって、どこの会社かってヤツ!!」



@マークの後の会社名が抜けてることに気づき、3分の1の意味をやっと理解したあたしは、



指を耳に突っ込み、耳栓しながら眉間に皺を寄せる先生から紙を奪い返すと、白衣の裾をグイグイ引っ張りながら、ぷぅっと頬を膨らませた。

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