白衣の悪魔を愛してる
「ちゃんと届いたら、絶対返事…」



「ってか、頑張んのは後でいいから…お前、マジでそろそろ…」



「あっ…」



そうだった…。



でも、幸せな時間が過ぎるのはあっという間。



突然、ふと思い出したかようにパカッとケータイを開き、時間を確認する先生を見てHRのことを思い出したあたしは、



ずっとここに…先生のそばに居たいけど、



これで本当に最後だし…



約束だし…



行かなきゃ…だよね。




はぁ…っと小さくため息をつくと、スッとその場に立ち上がった。



「よし。」



「お?ずいぶん潔いじゃねーか。」



「まあね。」



そして茶化してくる先生に名残惜しさを諭させぬようニコっと笑みを向け、クルッと背を向けながらスカートの汚れを落とすようにパンパンっとお尻を叩いたあたしは、



「じゃあ…行ってきます。」



「あぁ。行ってこい。」



「うん。」



後ろを振り返ることなく、真っ直ぐ前を向いたまま教室に向かってスタスタと歩き始めた。

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