白衣の悪魔を愛してる
少しだけお尻を浮かし、首を後ろに向けた先には、



アクビでもかみ殺しているのか、右手で口元を軽く覆う、あたしの大好きな先生。



黒スーツ。



やっぱカッコイい。



しかも髪もいつもよりしっかりセットしてて…



ネクタイだってキチンと締めてて…



「あっ…」



今、もしかして…



目、合った?



ほんの一瞬だったけど…



先生、



あたしのコト気づいてくれ…た?



体育館にはこんなにいっぱい人がいるのに…



あたしの席、真ん中の方で、先生が立ってるとこからけっこう離れてるのに…



なんか…



うん。



それって、すっごく嬉しい。



あたしを見つけてくれたみたいで…



気持ちが通じたみたいで…



なんだかニヤケちゃうよ。

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