白衣の悪魔を愛してる
早く先生のトコ行きたい。



傍に行きたい。



返事より、今のあたしの気持ちを伝えたい。



“大好き”って叫びたい。



でも…



正面を向き直し、チラッと左横を見たあたしは、はぁ…っと大きなため息をついた。



式、まだ始まったばっかりなんだよね。



これからが長い…んだよ…ね。



眠いし、ダルいし、頭痛いし…



早く先生に会いに行きたい…し、



早く終わんないかなぁ。



そして意味もなく天井を見上げながら、再び大きなため息をついた…



その時、



「……た…」



ん?



「……した。」



へ?



「坂下。」



「は?」



「坂下っ!!」



「あっ…はっ、はいっ!!」



ヤバッ!!



早く立たなきゃっ!!



いつの間に順番が来てたのか、山下先生に名前を呼ばれたあたしは、



周りの笑い声も気にすることなく、勢いよくその場に立ち上がった。

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