キミ専用テレパシー
――――
「……ちゃん、ひなちゃん。」
遠くの方から声が聞こえた気がして目を覚ますと、お母さんが私を起こしていた。
「ん…?なに…。」
窓の外は、もう薄紫色に染まっていて、時計を見ると5時を過ぎていた。
「起こしてごめんね?お友達来てるわよ。」
「友達…?誰?」
「イケメンの男の子!メガネの。彼氏?」
「メガネ…?」
ボーッとする頭で、考えてみる。
イケメンのメガネの…男の子。
メガネ…男の子…。
神田くん?!
「ええぇぇぇ?!」
バサッ!と起き上がってみるけど、完全に思考停止。
固まっている私を横目に、呼んでくるわね〜、なんてルンルンでお母さんは、部屋を出ていった。
ちょっと待って…。
いきなりすぎて頭が追い付かない。
なんで?神田くんが家に?