キミ専用テレパシー
「夕方あたりに誰か来なかった?」
「夕方?あっ、来たよ。神田くん。」
「うっそ!やっぱりかぁ~。」
「やっぱり?」
千香は神田くんがお見舞いに来た事を知っていて、電話の向こうでクスクス笑っていた。
「いや、今日ね?あたし、神田くんにひなが熱出したよ~、って言ったの。そしたら、家の場所聞かれたから、まさか!と思って。」
「そういう事だったんだぁ…。」
「なんか、ひなに用事あったみたいだし。で?なんだったの?」
用事、と聞いて一番最初に思い浮かんだのは、"雪ちゃん"の事だった。
「この間の元カノさんの事で謝られちゃった。勝手に気にしたりした私が悪いのに…。」
「いや、気にして当然だって~。ひなは、優しすぎなんだよ。」