キミ専用テレパシー



「今、大丈夫ですか?」


「はい。大丈夫ですよ。」



突然の電話に驚く様子もなく、神田くんは普段通りの口調で。


(逆に私が慌ててる気が…)


「どうしたんですか?珍しい。」


「いやぁ、あの。ケーキありがとうございました!母が喜んでました、すごく。」


「あ、いえいえ。手ぶらで伺う訳にはいかないですから。気にしないで。それより、体調は?」


「だいぶ良くなりました。水族館までには、キッチリ治しますので!」


私が自信満々にそう言うと、電話の向こうで小さく笑い声が聞こえた。


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