幸福の瞬間


“俺を慰めてよ”


そう言った男の指には
指輪があった。

あのような人は初めてだった。
お金もあって、結婚もしている。
仕事だって成功しているだろうし顔だって言うことなし。

どうしてそんな人が
女子高生を買うんだろう。


気がつけばあの人のことばかり考えていた。

連絡先聞けばよかったかな。

「はぁ‥‥」

忘れなきゃいけない。
どうせ、もう会えない
人なんだし。

そうはわかっていても
忘れられないのが事実。

忘れることが出来たら
どんなに楽だろうか。
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