*
幸福の瞬間
“俺を慰めてよ”
そう言った男の指には
指輪があった。
あのような人は初めてだった。
お金もあって、結婚もしている。
仕事だって成功しているだろうし顔だって言うことなし。
どうしてそんな人が
女子高生を買うんだろう。
気がつけばあの人のことばかり考えていた。
連絡先聞けばよかったかな。
「はぁ‥‥」
忘れなきゃいけない。
どうせ、もう会えない
人なんだし。
そうはわかっていても
忘れられないのが事実。
忘れることが出来たら
どんなに楽だろうか。