地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
………固まった。
体も、思考回路も。
フリーズして…声が出ない。
目だけが、大きく見開かれる。
「良いんですか………?」
「えぇ。東雲学園に転校させていただければ、孫娘が学園の警備をしますよ」
「………しかし、杏樹さんは高校生3年では……。進路は……」
朝比奈さんが言った“進路”
さっき……『一緒に卒業して、一緒の大学に行こうね!』
って……陸と約束して来たのに。
水族館での出来事が脳裏をよぎる。
「……東雲に………転校……?」
ボソッと呟いた。
「心配はいりませんよ」
あたしの表情をちらっと見ただけで、朝比奈さんに笑顔を向ける。
そして……神崎家当主、一族トップのじいちゃんが、あたしに命令を下した。