地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
水色のストライプ柄のシャツワンピース。

上から、白いカーディガンを羽織っている。

長い髪が窓から入る風を受けて、サラサラと揺れ動いていた。



「入って来いよ」

「うん……お邪魔します…」


入口にいる杏を手招きし、部屋の中へ入れる。



すると、

バックや荷物をその場に置いたまま……

パソコンデスクにいた俺のところまで、駆け寄って来た。



「杏?」

「………」


名前を呼んでも、無言のまま。


「どうした」

「………」

「…!?」


目の前に立っている杏の顔を覗き込もうとした瞬間―――…




いきなり抱き着かれた。



椅子に座る俺に覆いかぶさるように、首に腕をまわす。


桃の香りが鼻をかすめた。
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