地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
涙が伝う頬を撫でる。


「さっさと犯人を捕まえて、松沢に帰って来い」

「うん………」


長い睫毛に水滴が溜まり、伏せ目で返事をした。



「ね……陸………」

「あ?」

「他の女の子と浮気しない?」

「は…?」


何を言い出すんだ?


「欲求不満になって、他の子に手出したりしない?グラマーな子が迫って来ても、平気?」


「………バッカじゃねぇの?」

「ほぇ?」


泣いたため赤くなっている杏の鼻を摘んだ。


「ぎゃっ!?」

「もうな、俺のカラダは、杏にしか反応しねーんだよ」

「ほんと?」

「本当。」


鼻から手を離し、頬に手をあてる。


「大体…杏とでさえ、仕事で構ってやらねーのに、他の女と遊ぶヒマなんてねぇよ」
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