地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
「どうぞ」
電話口の声と変わらない。
「…坊ちゃま、失礼します」
お手伝いさんのような口調で、ドアを開けた。
「どうかしたのか?」
ソファーに座って本を読んでいた陸が、顔を上げて…あたしの方を見る。
「は………!?」
「えへへ…騙されたぁ〜♪」
「杏?」
「うん、ただいま!」
サプライズ訪問…大成功♪
陸様…ポカ〜ンとしてます(笑)
「閻魔大王…マヌケ面♪」
クスクスと笑って、ソファーにいる陸に近づいた。
「言ったな、バカ杏」
「うわっ…!?」
調子に乗ったからなのか……。
陸に腕を引っ張られて……いつの間にやら……
「朝から喰っていい…?」
「………どいて変態」
ソファーに寝かせられていた。