地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
しつこいアマを何とか押さえ込んで、通話を切った。


「………ヤベっ……」



腕時計を見ると、杏に出てくると言ってから…軽く1時間以上が経ってる。


待たせ過ぎだ…。




ため息をつき、自室へ戻る。


「…杏、わりぃ………」

「…………」

「杏?」

「…………」


部屋に入って、呼ぶが―――返事はなく、姿も見えない。


まさか―――帰った?


一瞬、そう考えたが……荷物があるので、それはない。



すると。


「………いんじゃん」


ソファーから、静かな寝息が聞こえてきた。


近寄って、上から見ると―――



「……寝てんだな」


ソファーに横になってスヤスヤと寝ている杏がいた。
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