地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
蓮と未子以外には、誰もいない部屋。


壁一面の窓からは、赤紫に染まった空が見え……未子のいる場所に影を作っている。



メガネを外した未子の素顔は…
誰もが、一度見たら必ず振り向くほどの美少女だった。

白い肌に、大きな瞳…睫毛は長く、小さくて筋の通った鼻に、さくらんぼ色の唇。

そして、華奢な体つき。



「………未子……」


名前を初めて呼んでみる。

深い眠りなのか――…ピクリともしない。



「……閻魔大王って…誰なんだ」


頬に指先だけ触れる。


化粧をまったくしていなかった。



未子の漆黒の長い髪に指を滑らせる。


一度も絡まることなく、毛先までたどり着いた。



「綺麗な髪してんな………」


かすかに、甘い桃の香りがする。
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