地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
それは
蓮が今まで嫌悪していた女達とはまったく違う…安らぐ香りであった。


「…大切な人って…誰なんだ…」


問い掛けても…眠っている未子からの返事はない。

額にかかる前髪を優しく撫でる。


「ん………」

「…ッ……」


僅かに動いたので、身構えたが…目は開くことなく、またスヤスヤと眠っていた。



その時――――…



シャラ………




「え…………」


未子が動いたからか……セーラー服の中から、シルバーアクセが出て来る。



それは―――…

以前見た女物のネックレスではなく―…

―――――明らかに男物。


「……男…いるのか……?」

ギリッと歯を噛み締め…右手で拳を作った。


「……俺のモンになれ」


見えない相手にムカつきながら、無防備な表情で眠る未子の頬に唇を付ける。



しかし…そんなことが起きていたことを、未子…杏樹は知らない。
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