地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
待つ側の気持ちは、陸がよくわかってるんだと思う。

待たせたのは、あたしだもんね。


だけど、お互いに、もうあんな思いはしたくない。

悲しくて、辛くて、代われるならば…と何度も思った。

毎日がモノクロで…息をするのも苦しくなる。

相手が帰って来てから、ようやく日常に色がついた。


「ねぇ…」

「ん?」

「もし……またイヤなことに巻き込まれたら、どうする?」

「……どんなに辛くても、手放しはしねぇよ」

「そっか……」


見上げた陸の表情が、すごく自信に溢れてて……ホッとする。


思えば………

この陸の言葉が、後々…あたしをこの事件へ立ち向かわせる原動力となった。



ねぇ………陸?

もしも

“視えなく”なってしまっても…

あたしの傍に居てくれますか?
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