地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
病室内にいたのは、少しぽっちゃりとした女性と…ベッドの上には、本人であろう深谷ひかるさんがいた。


「あなたが…警察の言っていた方?」

「はい、神崎杏樹と申します」

「ひかるの母です」


深谷さんのお母さんに頭を下げる。

お母さんは、目の下にはひどいクマがあり…少しやつれているように感じた。



「ひかるさんですよね?」

「はい……」


虚ろな目が、初めてあたしを映す。

その目は、少し濁っているように見えた。

まるで灰色………。


「突然来てごめんなさい。甘いもの好きですか?これ食べられるなら、お母さんと食べて下さい」


優しく微笑みながら、ケーキの入った箱を差し出す。


「ありがとうございます…」


僅かに笑うと、箱を受け取った。
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