地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
――陸Side――


談話室内にある自販機で、コーヒーを買う。

フタを開けて、近くの椅子に腰を下ろした。



談話室内には、俺と…もう一人、高校生の男がいた。

ひとつ下くらいだな。

サッカー部なのか、肩からデカいスポーツバックをかけている。


特に気にせず……コーヒーを口に運ぶ。


その時だった。


カーン………コロコロ…………

小さな金属が床に落ちた音…。


それは、転がり…俺の足元まで来た。


「………」

「あ…すいません、それ俺のっ…」


床から拾い上げると、さっき見たサッカー少年が、俺のところへ駆け寄る。


「あぁ…」

「ありがとうございます」

すぐに返すと、ホッと安堵したような表情になった。
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