地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
しかし、その一瞬で……転がってきた小さな“ピンキーリング”に刻まれた文字を読み取ってしまった。


文字は…kei*Hikaru


Hikaru………深谷ひかる…?



「君……408号室の患者さんの彼氏?」

「え……なんでそんなことを…」

「悪いね、リングの文字…見えたんだ」

「そうですか………ひかるは、俺の彼女です…」


“彼女”という言葉が、やけに弱々しく聞こえる。


「でも、なぜ…ひかるのことを」

「あぁ、俺の連れがな…今ひかるさんに、会いに行ってんだよ」

「じゃあ…その人が、警察が言ってた人か…」


小さく呟くと、リングを握りしめた。


「まだ……“彼女”で居てくれるんかな…」

「え?」

「ひかるの状態のこと…知ってるんですか?」


横に首を振る。


悲しげな表情で、そいつは、静かに説明を始めた。
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