地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
「飛鳥、こっちに来い」
「イヤ。おねえちゃんのひざがいい」
会長に向かって、舌を出す。
「おねえちゃんのケーキ、ひとくち…ほしい」
「いいよ?ほら、あーん」
フォークにケーキを取り、飛鳥君の口に運んだ。
「美味しい?」
「うん!」
ニコッと笑う飛鳥君につられて、あたしも笑顔になる。
「おねえちゃん、メガネないほうがかわいいよ」
「ちょっ…」
カチャッ…とメガネを抜き取られた。
「………チッ……」
会長の舌打ちが聞こえる。
飛鳥君は、お皿をテーブルを置いて、あたしの脚を跨ぐように向かい合わせで座り直した。
「どうしたの?」
「……ぱい……ぱい」
「ん?………!!」
飛鳥君が、一瞬だけ……会長の方を見て、笑ったことを…あたしは知らなかった。