地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
自分の容姿と、着ているものの差に、ため息をついた。


「…陸様が見たら、イチコロね」

「へっ…?」

「──またまた惚れ直しますから、覚悟された方がよろしいかと」

「はぃ?」


惚れ直す?誰が……?

覚悟って……何の覚悟?

おばさま達を見つめても、何もわからなかった。

その答えは――――
後々……わかったのだけど。




しばらくして…。


「支度出来たのか」

「はい」


お店に、会長が迎えに来てくれた。

おばさま達にお礼を言って、会長のところへ行く。


「…………」

「何固まってるんですか、会長」

「…………行くぞ」


お店から出たあたしを見て…
ピシッと会長の体が固まってしまった。

目も見開かれ、口も開いてる。


ようやく動き出した体は、手と足が一緒に出てた。
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