地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
顔は、笑みを浮かべてるけど…
目が笑ってないし、なんかイラついてるのがわかった。

たぶん、陸のイラつきに気づいてるのは、あたしと相澤君だけだと思う。

相澤君…苦笑いだし……。


じーっと陸を見上げた。


「吉川さんも来てたんだね?」

「あ…うん」


あたしの視線に気づいた途端…真っ黒いオーラは消える。

そのまま、手をあたしの髪に伸ばした。

会長や皆に背を向けてあたしに覆いかぶさるように立つ陸。


「……2週間ぶりだな」

「うん…」


小さな声で囁くように言うと、スーっと、あたしの髪に指先を通した。

柔らかく微笑むと、すぐにその手は離れていく。


「では、僕はこれで……」


ニッコリと泰造さんに笑顔を向け、人混みの中へ挨拶まわりをするのか…入っていった。
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