地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
会長だって……八岐大蛇だけど、イケメンの部類に入るから、女の子達が放って置かない。

熱い熱い視線が、向けられてる。

あたしには、毒針並に痛い視線が―――…。


「あの子達…絶対にあたしが会長と何かあるって勘違いしてますよ。何にもないのに…」

「……チッ…」


うわ…出た。会長の舌打ち。

本当に勘弁して下さい。

妬みの視線は…陸のファンクラブだけで手一杯なんだってば。

………う゛ぅ゛……帰りたい。

もう……限界に近いんだけど。


パーティーの人混みが苦手だから、時々抜け出さないと…息が詰まりそう。


「……もうヤダ……」


会長の目が、あたしの方ではない…真逆の方を向いているのを確認して、立ち上がる。
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