地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
あたし達の話を聞いていた泰造さんは、目を細める。

口元には、笑みが浮かんでいた。


「ありがとう………」

「いえ…引き受けた依頼は、必ず受けるだけですから」

「……頼むよ…情けないが、今回も杏樹ちゃんに頼らなければ解決出来ないと思う」

「すみません…まだ事件のことは……」

「急がなくても……と言いたいところだが、被害者達のことを思うとね……頼むよ」

「はい。必ず…彼女達を元に戻します」



泰造さんの目をしっかりと見て頷く。

泰造さんも満足そうに頷いてくれて安心した。


「さて、年寄りは…若い恋人たちの邪魔をしないように、さっさと退散するよ」

「………」


いや…邪魔なんて……。


「陸君、蓮が色々と迷惑をかけると思うが……」

「大丈夫ですよ…絶対に渡しませんから」


最後に意味不明なことを言って、泰造さんはホテルに入って行った。
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