地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

「それなら、部屋行くか」

「パーティーに戻るの?」

「違う、今夜泊まる部屋」

「はぃ?」


陸の発言に首を傾げる。


「そろそろ…部屋で全部脱がしても良い頃だろ?」


スっと…あたしの着物の中に、手を差し込んで妖艶に微笑んだ。


いやいやいや……。
ちょっとパーティーを抜け出すくらいなら、良いと思うけど…
さすがに、帰るのはダメでしょ。

あたし…東雲の皆と来たんだし。

勝手に陸のところへ行くのは、気が引ける。


「会場で見つけた時から…今夜は帰さねぇつもりだったんだけど」

「あたしだって帰りたくないけど、無理だよ」


本音を言うと、このまま陸と一緒に居たい。

今日だけは、隣で眠りたい……。

甘えたい日なんだもん。
< 305 / 657 >

この作品をシェア

pagetop