地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
目を擦って…もう一度見る。

「………会長?」

「…なんだ」

「こんなに早く起きて…年寄りですか?」

「……殺すぞ」


ギロっと、睨まれた。

ちょっと冗談が、キツかったかなぁ…?


「なんでもありませんよ。ただの散歩ですから、気にしないで下さい」


見回りのことを教える気は…更々ないので、散歩だと答える。


「……深夜に、こっそり抜け出して、散歩するなんて…頭イカれたか」

「イカれてなんか…ありません」

「……2時間以上…どこにいた」

「だから…散歩してましたって」


しつこい会長に、イライラしてきた。

あたしは、早く寝たいの!


「会長…しつこいです。眠たいんで、失礼します」


ドアの前にいた会長を退けて…部屋の中へ入る。


「ハァ………厄介な人に見つかったかも」


ため息をつき、ベッドに潜り込んだ。
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