地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

「……真っ暗闇が怖くないのか」

「怖かったら、散歩なんてしません」

「………」



あたしが怖いものは…もっと別のものだもん。



相変わらず…後ろをついて来る会長。

もう気にしないで、スタスタと歩いていく。



暗視術を発動させて、10分くらいが経った頃………


『かごめ─かごめ──…』


かわいらしい女の子の声で、歌が聞こえた。



「え………」


思わず足を止めて、周りを見る。

会長にも聞こえたのか…キョロキョロと後ろを振り返っていた。


「……空耳かな」


振り返っても、誰もいないし…声も聞こえない。

空耳だと思い、また歩き出す。



『籠の中の鳥が───』



これは空耳………じゃない。

確かに…歌が聞こえる。
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