地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
『いついつ出会う───…』


はっきりと聞こえて来た歌声に、足を止め……声の主を探した。


暗視術を使ってるから…ちゃんと見えるはずなのに、声の主が見当たらない。



「誰か…いるのか……?」

『夜明けの晩に───』


ドクン───…。


会長も可笑しいと感じているのか──声の主を探している。



『鶴と亀が滑った───』


ドクン──…。




『後ろの正面───だあれ─?』



かわいらしい歌声が終わった。

終わった後からは、何も聞こえないし……妖気も感じない。


「……無事か」

「はい」


会長の問い掛けに、静かに返事をする。

辺りを注意深く見渡しても、誰もいない。


「………今日は帰りますか」

「あぁ…」


その時。




『お兄ちゃん…お姉ちゃん……』
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