地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
杏の両手を頭の上に片手でまとめ上げ──…残りの手で、胸を揉む。


抑制なしの甘い声が、部屋中に響いた。



「りー………ん…っ……」



『りー』って呼ばれるのも…いいかもしんない。

杏以外に呼ばれたら、そいつ…ぶっ殺すけどな。



体中にキスを落とす。

胸の辺りに、ひとつだけ紅い華をつけた。


俺のモノって印。


昨日…あれだけ会長達に見せつけたんだ。

口では、はっきりと告げてねぇけど……わかってるよな。

俺達に、入り込む隙間はねぇってことくらい。


「アイツなんかに、杏は渡さない」


杏に触れていいのは、俺だけ。

イジメんのも、鳴かせんのも俺だけの特権だ。




「だから……よそ見しねーで、俺だけ見てろ」



甘く鳴き続ける杏に、耳元で囁いた。
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