地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
「りー……ちゅー」
「…はいはい」
起きると、モゾモゾと腕の中で動き…唇を重ねる。
何回か繰り返した後、ようやく離れた。
「メシだ」
「ゔ───…」
一口分のお粥をスプーンで口に運ぶ。
「食わなきゃ…体力落ちんぞ?」
「ゔぅ゙……」
口を閉じたまま、食べようとしない。
仕方がないので、お粥をやめて…すりおろしたりんごを口まで運んだ。
「ちょっとでも食え」
「………」
じーっと俺を見つめた後、パクっとりんごを食べる。
やっと食べたな……。
りんごが気に入ったのか、それからは口まで運ぶと、パクパクと食べた。
お粥には、一切口をつけなかったが、りんごは完食。
「……じゃあ、薬だな」
「……!?」
『薬』という単語を聞いた途端…杏が目を見開いた。