地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
電話でのあたしの強がりは、陸にはお見通しだった。

陸には、嘘はつけないし…簡単に見破られてしまう。


どうして…そんなにあたしのことは、わかっちゃうんだろう?



ぼーっと考えていた時だった。



「……おい」

「ギャア…!?」


いつの間にかプールの中に入って来ていた会長に、上から顔を覗き込まれた。


バシャン………!

グラ………。


「きゃあ……」

会長の登場に驚き、バランスを崩す。

浮輪がひっくり返り、水の中へ落ちた。


バシャン!



「………驚きすぎだ」

「っ……すみません……」


水の中に落ちたあたしを、会長が腕を掴んで引き上げてくれる。

ちょっと水飲んじゃったかも。


掴まれてない手で、顔を伝う水を拭った。
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