地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
「そろそろ風呂の時間だ」

会長にそう言われて、施設の時計を見ると、確かにそんな時間だった。

プール施設の上に、大きな温泉施設もあり…生徒達全員が入ることになっている。


「じゃあ…上がろうかな……」

水に浮かぶ浮輪を引き寄せて、プールから出ようとした時──…。



グイッ……。


「えっ…」


掴まれていた腕を、会長に強く引っ張られて…抵抗することを考える暇もなく、抱きしめられた。

会長の硬い腕と胸板に、閉じ込められる。


「……やっぱ……無理だ」

「え……か…い…ちょ?」


目の前にある会長の胸から、すごく速い心音が聞こえた。

あたしを抱きしめる腕や手に…力が入ってるのがわかる。


待って…ちょっと…どうして?


疑問詞だけが、あたしの頭の中を支配した。
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