地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
――杏樹Side――


パチッ……


目が覚める。



「………夢か………」


ベッドから起き上がり、傍のスタンドの電気をつけた。


「………汗びっしょりだ…」


パジャマの背中を触ると、冷たく濡れている。

スタンドの電気を頼りに、パジャマの胸元をつまみ…中を覗き込んだ。

胸の谷間にも、汗が浮かんでいる。


「着替えよう……」


着ていたパジャマを脱ぎ、クローゼットから新しいものを出した。


「………っ……いった……」


突然、手首に痛みを感じて、新しいパジャマを持ったまま…手首をスタンドで照らす。


「…………ウソッ…」


ついこの間のケガが……また出来ていた。


刃物で切り裂かれたような傷。

少量だけど、出血している。
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