地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
左手首に巻いた包帯。

ケガしてるわけじゃないんだけど、あの手形を見ると、どうしても恐怖心が沸いてくるから。

気休め程度だけど、白い包帯を巻いて、視界に入らないようにしてるんだ。


その上につけた腕時計。

陸とお揃い。

あたしの17歳の誕生日プレゼントとして、くれたもの。

その腕時計の針が動く音が、静かな仮眠室に響く。


普段なら、ベッドに入って5分以内に寝られるのに。

どうしても、あの夢を見ることが怖くって、眠れない。



ベッドに入って、15分くらいが経った頃。


ガチャ………

誰かが、仮眠室に入ってきた。

零ちゃんかな?


しかし、あたしの予想は外れ、意外な人物だった。



「………なんだ。まだ寝てねぇのか」

「か……い………ちょ………?」


枕元までやってきて、腰を下ろす。
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