地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
会長が座ったことで、ベッドが軋んだ。

布団に顔まで丸まっていたのを、ちょっとだけ下げて、鼻の辺りまで出す。

上を見ると、会長があたしを見ていた。

目が合うのは恥ずかしいので、ちょっとだけ逸らす。


「………眠れねぇのか」


普段の冷たい物言いとは違い、ぶっきらぼうではあるけど…会長にしては優しい問いかけ。

目元も幾分か柔らかくなってる気がした。


コクリと頷いてみせる。


「……どうした」

「………」


眠れない理由を尋ねられても、口には出せない。


しばらくあたしの返事を待っててくれた会長だけど、あたしが答えないとわかったのか、ふと笑みを作った。


「………すみません」

「別に謝ることじゃない」


話を聞いてくれようとしたのに、答えないことが申し訳なくなって目を伏せる。


「気にするな」

クスッと会長が笑った。


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