地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
†二宮薫という女性
「で?滝本君本人には、確認してないのね?」
「………うん」
小さく頷く。
あの電話から、数日後の土曜日。
事情を説明して、柚莉ん家を訪ねた。
おばさんが出してくれたアイスティーを飲む。
「私は、あり得ないと思うんだけどなぁ~」
柚莉が言ってるあり得ないことというのは、陸の『浮気』。
浮気って言葉を頭に浮かべただけで、心が重くなった。
あたしだって、浮気なんかだと思いたくない。
でも………あの女の人。
あたしより幾分か年上で、大人の女って感じだった。
声からして落ち着いてたし………。
「杏樹も、苦労が尽きないわね。この前やっと楠家の令嬢とのことが、片づいたってのに」
「ほんとだよぉ~~」
大きなため息をつきながら、テーブルに伏せる。