地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
コーヒーとアイスティーを注文すると…少しして運ばれてくる。

それまでは、お互いに無言だった。


もう……帰りたい。

そんな願望が、心の中を支配する。


二宮さんは、あたしを頭のてっぺんからつま先まで、じろじろと品定めをしているみたい。

睨みつけるような鋭い視線が、とても怖かった。


「……よくあなたみたいなのが、ここに入れたわね」

「え…」

「このホテル、いくらバカなあなたでも知ってるでしょ?高校生のあなたが、よく入る度胸があったわね」

「………」

「浮いてる中に、居られるなんて…バカだから出来るのか」


やっぱり…浮いてるんだよね。


フッと鼻で笑われた。



泣きたくてたまらない。

どうして…こんなに酷い暴言を吐かれなきゃいけないんだろう。
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