地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
*第八章*

†消えていく心

うるさいほどに、窓の外から聞こえてくる蝉の大合唱。

季節は夏真っ盛り。

東雲学園も夏休みに入った。

毎年同様、課題を早々に片付けて、毎日古文書を読みあさってる。

受験生だから、受験勉強も始めたところだけど。



二宮さんに会った日から一週間で変わったこと。

陸に必要以上連絡を取らなくなった。

家にも行かない。

1人きりで部屋に籠もってる。



柚莉には、あの日の夜にすべてを報告した。

すべてを話し終える頃には、怒りに満ちてた。

でも、陸には何も言わないように口止めした。

だから、まだ別れてないんだ。


それだから………

ブーーッ…ブーーッ……。

「20通目か。今日は何通来るかな?」

自嘲気味に笑って、受信したメールを開いた。


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