地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
だから、あたしもいつもと同じように、お茶を入れる。

陸にはコーヒー。
あたしには紅茶を。

パソコンデスクの上には、大量の書類。

その傍に、入れたてのコーヒーを置いた。


「サンキュ」


ニコッといつものように微笑みかけて、ソファーに腰掛ける。


陸は仕事が溜まっているらしく、カタカタとキーボードを叩く音が、静かな部屋に響いた。


仕事するなら、なんであたしを呼びだしたんだろう?

お茶くみさせるため?


まぁ……どうでも良いけど。

黒の中からは、黒いモノしか出てこない。

黒いモノにすべて飲み込まれそう。


気を紛らわすために、『Blossom』のDVDを見ることにした。

DVDを再生させながら思う。


陸の部屋にあるあたしのモノも、持って帰らなきゃ。

要らないモノの私物が、残ってるのはイヤだよね。




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