地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
ブランコに腰掛ける。

荷物の入ったバックを隣に置いた。


「ブランコなんて久しぶりだなぁ…」


懐かしい遊具で、少し遊んでみる。

少し気分転換になるような気がした。



ふと…陸の枕元にあった“あるモノ”を思い出す。

やっぱり、二宮さんと同じ。


いつも陸が身につけてるネックレス。

1週間前に見た二宮さんとお揃いだった。

たぶん…陸がプレゼントしたんだろうな。



「……あたしは……性欲処理のために、付き合ってるのかな?」


言葉にすると、また心が黒く塗り潰されていく。

夕日が夜に変わるように、あたしも…闇に溶けて、消えれたら良いのにな。



下を向いたまま、サンダルを見つめた。






ジャリ………。



誰かの足音が聞こえて、顔を上げる。
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