地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
悲鳴を聞いた菫さん達が何事かと、お風呂場に駆けつける。


「ママ!お姉ちゃんが……」

「杏樹ちゃん?」


お風呂場を飛び出した飛鳥君が、菫さんにあたしを指さした。

ガタガタと震える体は、止まることを知らない。


「杏樹ちゃん?どうしたの?」

「………っっ………」

菫さんの問い掛けにも、答えることが出来ない。

ただ、耳を両手で押さえ、小さく縮こまることしか出来ない。


「飛鳥、もう上がらせるわね?」


そう言って、飛鳥君の体についた泡を洗い流す。

菫さんはあたしにバスタオルをかけて、飛鳥君を連れて行った。


バスタオルを体に巻いて、自分の体を抱きしめる。

心の中で、何度も落ち着けと言い聞かせた。

でも、震えと一度思い出した恐怖は止まらない。



「……どうした?」


ふと震える体に聞こえたのは、優しい声。

ハスキーな声が、背中側から聞こえた。








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