地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ

「……飛鳥が、何かしたのか?」

「ち、ちがっ・・・」

ブルブルと頭を横に振って、否定する。


「虫でも出たか?」

ブルブルと振った。


会長が、あたしの後ろにしゃがみ込んだ。

ゆっくりと頭を撫でられる。

一瞬びくついたけど、会長の手だから安心できた。


撫でられても、止まらない震え。


「……あとで怒るなよ」


そんな声が聞こえたと思った瞬間。




フワリと爽やかなシトラスミントの香りに包まれた。


会長に後ろから、抱きしめられる。


たくましい腕が、あたしの肩と胸の下にまわされた。


キツイくらいに。

公園で抱きしめられた時みたいに、強く抱きしめられる。



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