地味子の秘密 其の四 VSかごめかごめ
あ。違うか。

「会長、朝顔柄が好きなんだね」


浴衣の柄が好きだから、浴衣を着ているあたしを連れて来たのか。

フムフム。なるほど!

一人で納得していると、隣の会長が深いため息を吐いた。


視線を花火に戻す。

頑張って動かさなかったおかげで、まだ火は落ちてない。


「今まで1番長いかも♪」

紅い華を咲かせる花火を見つめる。

徐々に明るさがアップし、花火が最高潮のところにきた。



しかし。







花火の明るさで、あたしの足元が照らされる。



「イヤッ…!」



足元にいたヤツを見た瞬間……せっかくキレイに咲いていた花火を落としてしまった。




「……かっ…会長…!」

「あ?」

「か…か……カニ!」



会長が、あたしの方を向いたと同時に、首に腕をまわして抱き着く。
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